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  • 2021/06/25(金)
  • <深堀り>削蹄師の仕事を覗いてみませんか?

 

 

農業界に興味のあるみなさん、知っていただきたいお仕事があります。

それは・・・削蹄(さくてい)というお仕事です。

 

削蹄師とは、簡単に言うと、牛の蹄(ひづめ)を手入れを行う専門技師です。
牛は蹄の手入れを怠ると、歩くのが困難になったり、様々な病気になってしまいます。その結果、子どもが産めなくなったり、死んでしまうケースもあるんです。
そこで、酪農家から依頼を受け削蹄師が色々な牧場に出向いて、定期的にお手入れをしているんですよ。

牛のフットケアをすることによって、健康な牛になり、良い牛乳ができるということにつながっていくんです。手入れには高度な技術が必要なため、スペシャリストである削蹄師が全国で活躍しています。

 


削蹄の仕事内容・1日のスケジュール(例)】

▼7:30~8:00 出発
削蹄師の仕事場は、お客さんの牧場です。牧場へ向かい、到着後30分くらいで準備します。


▼9:00~9:30 お仕事スタート

途中昼休憩と適度に休憩を入れています。


▼15:00~16:00 お仕事終了

片付けをしてから帰宅になります。

 

 

【削蹄師になるには】

削蹄師さんに弟子入りをして、まずはアシスタントとして仕事をスタートします。

数年後、試験を受けて削蹄師の資格を取得したり、さらに技術を学び、独立することも可能です!

<1年目から3年目>※見習い期間

日々の仕事、研修会を通し技術の習得を目指し、2級認定牛削蹄師の取得を目指す

⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩

<4年目から8年目>※2級認定牛削蹄師取得後、5年後目安
1級認定牛削蹄師を取得し、希望により独立
 

 

【仕事のやりがいやポイント】

◆常に牛に向き合うお仕事!

◆技術的なおもしろさがある!

◆収入の確実性も◎

 

「牛が好き」「牛の健康を守りたい」

そんな想いのある方にはピッタリのお仕事です。

また、一人前となり独立した場合、一般的に月収50万~60万程度になると言われています。
中には年収1,000万を超える方もいるとのことです。

各牧場と長くお付き合いができれば、安定した収入も確保できるんです。

 

 

 

 

【削蹄の方法】

牛の蹄を手入れするには、下記のような方法があります。

牛が動かないように固定できたら、スピーディーに蹄を整えていきます。

牛を枠内まで誘導⇒固定⇒蹄の手入れ、この流れの繰り返しを行っていきます。

 

=単独保定=


削蹄師さんが自分の体を使い牛の足を固定し、蹄を削っていく場合もあります。

 

=枠場(削蹄枠)=

 

電動ではない削蹄枠もあります。牛を枠内まで誘導したら、足のロープをかけ、足を持ち上げて固定します。

この時に使う道具は鎌(かま)や剪鉗(せんかん)という特別な道具(刃物)です。

 

=油圧式削蹄枠=

 

最近の削蹄では、牛の足を固定するロープが電動に動く「油圧式削蹄枠」というものが使われ始めています。

電動なので力も不要で、事故も起きにくくなります。蹄を削る道具も、電動で動きます。

1頭あたりの時間は、枠場で作業する場合と比べて半分程になります。

  

 

【道具の種類】

 

左から、剪鉗(せんかん)、鉈(なた)という特別な道具(刃物)になります。

 

 

また、「電子カルテ」の導入も一部で始まり、1頭1頭の過去の処置や、牧場全体の牛の病気の管理などできるようになっています。
データとして残すことができるので、今まで「記憶」で管理していたものを「記録」で管理できるようになりました。

こうして、酪農家とデータに基づいて病気の経過や処置内容について話し合い、一緒になって牛を健康にする取り組みを行うことができるんです!

 

 

【他にはこんなお仕事もあります】
・酪農家と一緒に病気の対処を考えていく

削蹄するだけなく、蹄に病気があれば処置をし酪農家と一緒になって対処法を考えます。
牛の蹄が病気になることを蹄病と呼びます。人が牛を管理する上では、切っても切り離せない病気です。蹄病になると、肢を引きずって歩いてたり、肢を痛めて立ったり座ったりすることが難しくなります。

・病気の原因を突き止める役割も
削蹄師は地域の各牧場を回っていますので、病気が多くなっている牧場の原因に気づくこともあります。
例えば、同じ飼料を使用しているのにも関わらず、とある牧場で病気が高い場合などは別要因があると考えることができます。

 

 写真提供:房州削蹄所

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